研究概要 |
本研究では,高分子系複合材料の損傷機構を解明するための手段として,従来の共焦点型レーザ顕微鏡を発展させ,微視的な内部損傷・破壊過程を実時間観察できるシステムを開発することを目的とする.各種機械や構造物の小型軽量化に対して,高分子材料の果たす役割は増大しており,材料に要求される性能もますます厳しいものとなってきている.そのため,材料の強度・機能を向上させる目的から繊維強化や粒子強化など種々の形態の先進複合材料が開発されており,その強度評価が重要となってきている.しかしながら,複合材料の強度には,母材と強化材料の界面の強度が重要な役割を果たしており,その評価の困難さもあり,合理的な強度評価法が確立されていないのが現状である.そこで,本研究では,材料内部の損傷・破壊過程を実時間で詳細に計測・観察できる手法を開発することで,材料界面の微視的損傷機構の解明に資することを目的とする.本年度は,共焦点レーザ顕微鏡による内部3次元観察像を得るための画像処理手法の開発を目標として,レーザ顕微鏡において,試料を高さ方向に移動する際に得られる輝度信号をパーソナルコンピュータに取り込み,輝度信号の高さ方向の分布から,材料材部の3次元像を構築するための画像処理プログラムを作成し,その有効性について検討を行った.現状では,処理速度に問題があり今後の改善が必要である.
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