研究概要 |
申請者らが開発した第一原理分子動力学プログラムを改良するとともに,表面や粒界等の局所における機械的特性について検討を行なった.得られた主な結果を箇条書きに示す. (1)複数の計算機を接続して並列計算が可能なシステムを構築した. (2)並列計算による第一原理分子動力学法の高速をはかった.また,それを用いた本計算システムの効率について検討した.目標に対して充分な高速化が実現できた. (3)SiおよびSiO2の結晶および界面モデルについて第一原理計算を行なった.この結果よりフォースマッチング法によって最適化ポテンシャルについて検討した.界面近傍においても原始運動を記述できるポテンシャルを提案した. (4)アルミニウムS5傾角粒子および(100)表面の第一原理計算を行なって表面エネルギー,粒界エネルギー,原子配置について検討した.また,有効媒質法(EMT)ポテンシャルの有効性についても解析した.その結果,EMTポテンシャルでも局所特性について精度の高いシミュレーションが可能であることが判明した. (5)アルミニウム粒界表面会合部について第一原理解析を行なった.結果の詳細は,現在検討中である. (6)アルミニウム原子鎖の理想引張強度について第一原理解析を行なった.平衡原子間距離がかなり短いこと,原子列あたりの強度は高いこと,破断ひずみは小さいこと,等が明らかになった. (7)粒界についての引張解析の準備を行った.
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