研究概要 |
本研究では、独自に開発した血液実験回路を用いて様々な条件による機械加工表面を作り、そこに実際に屠殺場で採決した血液による循環実験を行う。そして各種材料表面が血流にどのように影響を与えるのかを定量的にまとめるものである。初年度は以下の研究を実施した。 1.密試験材料の作成 血液接触面の表面粗さはRa=1.35μmを基準とした。これに対して次の3つのタイプ、合計10種の試料を作成した;(1)Ra値を0.3-3,0μmの間で5種類の管の作成。(2)狭窄部を特定の5種の部分のみ、0.5μmとし、他は1.35μmとする管の作成。(3)精密加工技術を駆使して、粗さの方向を制御した3種の管の作成。 2.溶血(血液破壊)実験 (1)血液破壊実験は血液凝固を阻止する薬剤を入れたウシ新鮮血液約1Lを遠心ポンプによって6L/minで循環させた。(2)そして一定時間ごとに血液サンプルを抽出し、赤血球の破壊によって赤色成分が血しょう内に散逸した際の色の分光光度計によって定量化した。その結果、いくつかの予測とは異なった溶血が観察され、次年度の研究目標が設定できた。
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