研究課題/領域番号 |
11875054
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤井 照重 神戸大学, 工学部, 教授 (70031143)
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研究分担者 |
浅野 等 神戸大学, 工学部, 助手 (10260647)
竹中 信幸 神戸大学, 工学部, 助教授 (50171658)
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キーワード | 廃熱利用発電 / ごみ発電 / 作動流体 / 熱効率 / 二流体サイクル |
研究概要 |
我が国においては地域利用発電、例えばごみ焼却発電を例にとると発電プラントの主蒸気温度は塩化物の高温腐食問題から300℃に、また主蒸気圧力もタービンの出口湿り度の限界から3MPaにおさえられるので、そのプラント熱効率は10〜15%と非常に低い。ここでは、まずその解決をはかるために水を作動流体とするトッピングサイクルに対してボトミングに他の作動流体を用いる二流体サイクルに着眼、採用し、主蒸気圧力の増大による熱効率の向上を検討した。その結果の要約は次ぎのとおりである。 (1)ボトミングの作動流体として水を含めた7種類(アンモニア、プロピレン、イソブタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン)を選定し、入力条件として主蒸気温度300℃、凝縮温度55℃一定としてごみ300トン/日を対象にプラント熱効率を主蒸気圧力の変化に対して求めた。その結果、作動流体として、シクロヘキサン、ベンゼン、水を用いた場合には主蒸気圧力6〜8MPaに対して20〜21%のプラント熱効率の得られる事が明らかとなり、圧力増大効果が実証できた。 (2)さらに熱効率の増大をはかるために、ボトミングサイクルの温度を300℃まで過熱した場合には、シクロヘキサンやベンゼンの場合は水の場合と異なり、ボトミングタービン排気が過熱域に入るため再生熱利用する事ができるので水よりシクロヘキサン、ベンゼンが好適となり、約22%の熱効率が得られる。 (3)将来の材料の開発によって主蒸気温度が400,500℃になった場合には同じシクロヘキサン、ベンゼンが最適作動流体となり、熱効率は395℃で25%、495℃で28%が得られる。
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