研究概要 |
本研究の目的は,大量の実環境情報に対応した大規模ロボットシステムの実現を向けて,システム内の通信媒体を光とすることを基本とした自由空間光インタコネクションを有する新たなロボット機構を提案することにあり,特に,従来のロボット研究の多くで見られる,既存の機構の上に様々なセンサ及び通信系などを接続するという外神経型のシステム構築ではなく,並列光通信をベースとした構造を内包する機構という内神経型のシステム設計を提案する点に目的がある.具体的には、特に可動部に面発光レーザダイオードアレイを用いた並列光自由空間インターコネクションを有するロボット関節を試作することにより,その実現可能性を解明する. 平成11年度は,並列光自由空間配線を有するロボット機構の構成要素として,面発光レーザダイオードアレイを用いた可動部を有する並列光自由空間インターコネクションの設計を行った.具体的には,以下の手順で研究を進めた. 1)並列光自由空間配線を内部に有する可動機構部のモデルを構築した. 2)可動部において超並列配線を維持可能とする並列光自由空間配線法を提案した. 3)2)で開発した並列光自由空間配線法について,振動などのノイズ,システム誤差に対する影響について解析を行った. 4)3)の解析結果をもとに,2)で提案した並列光自由空間配線を有する可動機構部の設計を行った. 5)並列光自由空間配線を有する可動機構部について,その基本的動作を確認し,動作時における光インターコネクションの接続状態に関する解析を行った.
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