研究概要 |
本研究は,将来の人間共存ロボットにおける人間との円滑なコミュニケーションの実現を目指し,ロボットの感情モデルの構成法,および感情モデルにより実現される人間とロボットの「情緒的コミュニケーション(人間の感情移入を伴うコミュニケーション)」に関する,実用的知見を実験的手法により得ることを目的としている. 本研究では昨年度までに,内分泌系を参考とした感情モデルを持つ自律ロボットWAMOEBA-2(ワメーバ,Waseda Artificial Mind On Emotion Base)を開発してきた.昨年度までWAMOEBA-2の視覚システムは,固定カメラによる2眼平行視を利用していた.そのため特にコミュニケーションに必要な至近距離での画像情報を得ることが困難であることが,実験を通して明らかとなった.そこで本年度は視覚機能の向上と,さらなるコミュニケーションの円滑化を目指し,可動式カメラを搭載した新頭部を開発した.また人間との物理的インタラクション能力向上のため,頸部・手首部に力制御可能な関節を搭載し,新たにWAMOEBA-2Ri(Refine Eye)を構成した. ROBODEX2000(2000年11月24日〜26日,パシフィコ横浜,入場者数5万人)においてアンケート実験を行った.特に可動式カメラにより生成される「視線変化」のコミュニケーションにおける影響を評価するために,カメラの動く場合,動かない場合に分けてアンケートを実施した.その結果,「生物的-機械的」や「うちとけた-堅苦しい」などの複数の項目において有意な違いを得ることができた.
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