本研究は光ファイバ内に形成された狭帯域な反射型波長フィルタである光ファイバグレーティング側面を研磨し、その研磨面に屈折率が変化する材質である液晶を接合させることで電気的に反射波長を制御することを目指している。 光ファイバグレーティングの側面を研磨する際、研磨面の状態が重要となるが、その研磨法について検討を行い、実際に研磨を行った。今回の実験で使用した光ファイバグレーティングはシングルモードファイバに作成したもので、長さ約10mm、屈折率変調率Δn_<eff>=〜10^<-4>、反射率99%以上である。 研磨に際して、一次被覆を除去した光ファイバグレーティングをガラス板に熱硬化型エポキシ接着剤で塗布・固定し、市販のガラス用研磨砥石を用い研磨を行った。研磨前にガラス用研磨砥石を十分に水に浸し、研磨中も少量の油を含ませた水を常にガラス部にかけながら研磨を進めることで良好な研磨面が得られた。光パワーメーターで透過光の強度をチェックしながら研磨を行うと、大きなクラックがファイバに入ると透過光パワーが低下するので、研磨状態の目安となる。 また、光ファイバグレーティングを研磨する際、光ファイバのコア部とクラッド研磨面との距離である最小クラッド厚が重要となるが、研磨面に露出しているファイバの幅を光学顕微鏡で測定することで最小クラッド厚を算出し、研磨面が光ファイバのコア部から10μm以内まで研磨されていることを確認した。 研磨面が均一に削れているかどうかについてもダイヤルインジケータを用い高低差を測定し、光ファイバグレーティング付近の研磨面のばらつきが5μm程度であることを確認した。 今後、V溝基板を光ファイバグレーティングの固定治具として使用し、研磨することで研磨面の不均一性は改善される可能性がある。
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