研究課題/領域番号 |
11875109
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小柳 武和 茨城大学, 工学部, 教授 (50108205)
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研究分担者 |
桑原 祐史 茨城大学, 工学部, 講師 (80272110)
志摩 邦雄 茨城大学, 工学部, 助手 (10241746)
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キーワード | 色覚異常 / 色誤認 / 輝度値 / シミュレーション画像 / ハイブリッド遺伝子説 / アンケート調査 |
研究概要 |
本年度では、既存研究、眼科等の文献およびWebページから色誤認に関する体験談を収集し、それを基に色弱者に対して公共空間における色誤認に対するアンケート調査を実施した。そして色覚学説の中のハイブリッド遺伝子説を基に、3錐体の応答スペクトル曲線の変化をシミュレーションし、色弱者の色の見えづらさをシミュレーション画像として作成した。 アンケート調査は、第1、第2色覚異常の軽度から強度までの18人を被験者とし、出現率の高い既存体験談20パターンから色誤認をすると思うものを選択してもらった結果、時刻表(LED)の文字(赤・オレンジ・黄緑)が6人、交通信号(青信号と水銀灯)6人そして交通信号(赤点滅と黄点滅)7人が最も多かった。信号の視認性が低いということは事故等の危険を含んでおり、その要因として背景色との関係、大きさ、照度が問題であると挙がった。また、時刻表は、注視時間の制約が大きいことが問題の要因となっている。 交通信号と高速案内板、時刻表のシミュレーション画像を作成し、輝度差および色度差を見てみる。交通信号と高速案内板において、第1色弱では、輝度差:健常者の約1/4〜1/8、色度差:健常者の約1/3〜1/4であり、第2色弱では、輝度差・色度差:健常者の1/2以下である。時刻表において、第1色弱では、文字(黄緑)と文字(オレンジ)の輝度差:12→0、色度差:0.109→0.024であり、文字(赤)と背景(黒)の輝度値:35→14、色度差:0.219→0.032であり、第2色弱では色度差においてほぼ0になることから色度差による識別は困難を伴い、識別には輝度差が重要であると言える。 今後は、以上の結果を基に色誤認が起こる輝度値の閾値や改善策の評価実験(視認性、識別性、誘目性、使用可能度、好感度、可読性)を行う。
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