インターネットについては、国内でCATVを用いて先駆的に自治体のエリア内でWebGISを実現している長尾町等の調査と、全国の自治体の電子会議室のWeb:調査と、立命館大学の2つの授業におけるWebGISを用いた実証実験を行った。ローカルアジェンダ21については、京都、大津において、実践的な事例を蓄積し、WebGISの導入のフィージビリティを検討した。 この結果、インターネットを用いたまちづくりを行うには、単に発言を羅列していく電子掲示板ではなく、内容別に議論の視覚化が可能な電子会議室が有効であり、電子会議室とともに用いることによって、WebGISに関しても将来期待ができることがわかった。インターネットを用いたまちづくりの先進事例として神奈川県藤沢市および大和市を抽出し、電子会議室の性質として、テーマ設定が一般的な場合、議論規模が飛躍的に拡大し議論が拡散していく、テーマ性が専門的な場合、議論があまり活性化しないの2点が明らかになった。以上の成果を基に、まちづくりにインターネットを活用するための方策として、(1)まちづくりに対する位置づけ面、(2)運営していく上での留意点、(3)システム機能上の留意点、(4)システム運用上の留意点、の4点を明らかにした。 一方、ローカルアジェンダ21を主導すべき環境先進自治体は、組織内部の環境問題に対応していく仕組みは環境先進企業に比べて脆弱であり、理念や計画に対し実践・評価が進んでいないことがわかった。環境パートナーシップについては、自治体は企業よりも積極的な考え方を持っているが、取組が進んでいるとはいえなかった。これらを踏まえ、「大津の環境宝箱」や「京都市環境学習エコロジーセンター」の検討を事例に、環境情報システムに用いるWebGISの基礎的条件を明らかにした。
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