研究概要 |
1.地球環境の視点からの建築資源循環システムの解明と評価 初年度と次年度は、マルコフ連鎖を応用した建築資源循環システムを構築し、環境調和型のリカレント建築の環境負荷の面からのメリットを明らかにしたが、本年度は、よりリアリティの高いマルチエージェントモデルを応用して同様の循環システムを構築し、効果的な物流の面からの同メリットに考察を加えた。 2.環境共生と力学的評価を充足する建築構法システムの開発 初年度と次年度は、地震力を受ける構造物のファジィ理論や遺伝的アルゴリズムを応用した知的制御システムを提案し、本年度は、その振動実験による検証と、ニューラルネットワークを応用した構造物の地震損傷推定システムを構築した。 3.環境負荷を考慮した建築構法計画システムの開発 ファジィネットワークによる最適構造計画システムを完成させた。各種構造の選択肢はS, RC, SRC構造について各々従来型、リサイクル型、リユース型とし、考慮した性能因子は、CO_2排出量、廃棄物、消費エネルギー、コスト等の環境負荷、および、構造寿命、耐震等級、劣化等級、建替回数などの構造性能の多岐に及ぶものである。 本年度は、本研究の最終期限の3年目であるが、環境共生を指向する建築構造計画において、多岐にわたる性能の評価に知的システムが有効なこと、および、性能評価に耐えられる構法としてリカレント建築が秀れていることなどが明らかとなった。
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