速度の非線形の強い系で、コヒーレント光の千渉を利用することにより、表面の形状制御を可能にする新しい原子操作プロセスの開発を目指して、研究を行っている。本研究は追加採択で研究開始が遅れたため、顕著な結果を得る段階までは至つていないが、本年度は、エツチングによる構造作成を目標として、光学系の構築・最適化ならびに、光誘起反応速度の非線形性を有する系の反応特性の把握を行った。非線形性の強い系としては、光化学反応を利用する場合には原子層エッチングのような原子層マニピュレーションプロセスを、また化学反応性の少ない系ではレーザーアブレーションを候補として考えたが、原子層マニピュレーション技術に関する知見が得られている材料系がまだ少ないことから、本研究ではレーザーアブレーションを利用してPMMAやPTFE膜のエッチングによる構造作成を目指した。また、2次元の干渉パターン作成だけでなく、3次元の立体的構造作成への可能性に関し検討を開始した。
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