研究概要 |
本研究では現行のリサイクル・システムを大幅に改善・促進するため,製品・部品のスクラップを融解するあるいはシュレッダーによる破砕・切断を行う前に,接合された異種金属(合金)同士を分離するという観点に立ち,分離が容易な接合材について検討した.分離には「水素」によるトリガー,水素脆化を利用する容易破壊型接合材料の検討である. 昨年は,Mg-Cu化合物をMg中に分散させた合金は,メタノール220mlに対し四塩化炭素0.1mlの添加する事により12時間の紫外線照射により粉末にまで粉砕されることが分かった.本年度では,まず,四塩化炭素量について検討した.その結果,四塩化炭素を0.01ml以上添加しても効果はほとんどなく,アルコールの分解による水の生成量が増加することにより,Mg表面に水酸化皮膜が生成し,溶媒との接触を妨げるというマイナスの効果が見られることがあった.また,試験温度は50℃の場合よりも25℃の方が劣化が速いことが分かった.さらに,四塩化炭素の代わりに等量のCl^-を含むLiClをメタノールに添加したところ腐食型の劣化が進行した. Mg-Al合金はメタノール-四塩化炭素溶液中において劣化挙動を示さなかったが,微量のCuを添加することにより劣化が進行することがわかった.
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