研究課題/領域番号 |
11875179
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
割石 博之 九州大学, 農学部, 助教授 (50253513)
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研究分担者 |
北岡 卓也 九州大学, 農学部, 助手 (90304766)
谷 文都 有機化学基礎研究センター, 助手 (80281195)
後藤 雅宏 九州大学, 工学研究科, 助教授 (10211921)
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キーワード | デンドリマー / ナノストラクチャー / 人工酵素 / 精密合成 / ヘム酵素 / ペルオキシダーゼ / 配位子 / イミダゾール |
研究概要 |
デンドリマーは1985年にTomaliaらによって初めて提案された多分岐精密高分子である。モノマーユニットを一層ずつ連結し合成するため、分岐のルールが明確であり、従来の高分子とは著しく異なる特徴を有する。特に、空間形態が明確であり、分子サイズを数ナノメートルの範囲で制御できる特徴は、生体内で様々な反応を制御する酵素がこの領域であることから、人工ヘム酵素構築へ展開でき、ナノストラクチャーの面からも興味が持たれた。本研究では、ポルフィリンとデンドロンの間の結合に自由度を持たせた構造を構築し、ポルフィリンの上面・下面の環境が異なる(ヘム酵素の特徴)分子の合成を行い、人工酵素として機能する新規触媒の構築を行う。 3,5-ジヒドロキシベンジルアルコールをビルディングブロックとするデンドロンを合成した。第4世代まで伸長させたものを調製した4つのデンドロンをポルフィリン誘導体に結合させた。この際、エステル結合により連結させ、各デンドロンとポルフィリンの間の距離をとることで、回転障壁エネルギーの極端に小さいデンドリティックポルフィリンの合成に成功した。このデンドリティックポルフィリンにイミダゾール誘導体を配位させたところ、特別な処理を全くすることなく、イミダゾール1分子のみをポルフィリン鉄に配位させることが可能となった。これまで報告されているデンドリティックポルフィリンでは、ビス体の生成が起こってしまい、ポルフィリン面の両側に異なる環境を構築することは難しかった。現在、種々の配位子の合成を行っている。
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