• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

カルコゲノン酸及びヘテロアリルアニオン系の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11875195
研究機関岐阜大学

研究代表者

加藤 晋二  岐阜大学, 工学部, 教授 (40021589)

研究分担者 神田 貴宏  岐阜大学, 工学部, 助手 (30234157)
村井 利昭  岐阜大学, 工学部, 助教授 (70166239)
キーワードカルコゲノカルボン酸 / カルコゲン原子 / カルコゲノエステル / セレノエステル / セレノチオエステル / ジオカルボン酸塩 / チオカルボン酸アルカリ金属塩
研究概要

カルコゲノン及びヘテロアリルアニオン系の解明を進め、以下の結果を得た。
1.チオ及びジチオカルボン酸の構造
単純な構造のチオ及びジチオカルボン酸(4-CH_3C_6H_4COEH,E=O,S)についてX線構造解析を行い、両者はチオ及びジチオカルボキシル基が向き合った2量体で、平面構造であることが明らかとなった。また、チオカルボン酸の炭素-酸素及び炭素-硫黄間の距離は、それぞれカルボニル基の二重結合および炭素-硫黄単結合である。一方、ジチオカルボン酸の2つの炭素-硫黄結合は異なり、二重結合と単結合の2種類存在する事が明らかとなった。チオカルボン酸単分子の分子軌道計算からは、逆の結果が得られた。
2.チオ、セレノチオおよびジチオカルボン酸カリウム、ルビジウム、セシウム塩
芳香族チオカルボン酸のカリウム、ルビジウム、セシウム塩は2つの金属カチオンを共有した二重体構造であり、チオカルボキシル基のC-OおよびC-S距離はそれぞれ二重結合と単結合を示し、陰電荷が硫黄上に局在化した構造をとっていると見られる。対応するジチオカルボン酸カリウム、ルビジウムおよびセシウム塩は2つの金属カチオンを共有した二量体である。ナトリウムとカリウム塩はジチオカルボキシル基の二つのC-S結合距離が異なり単結合と二重結合距離を示し、陰電荷は単結合で結ばれた硫黄上に片寄っていると見られる。一方、ルビジウムとセシウム塩のそれらはほぼ等距離で、単結合と二重結合の中間の値を示し、陰電荷はジオチカルボキシル基上に非局在化していると見られた。
セレノチオカルボン酸アンモニウム塩の合成も開発できた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Kato: "Heavy Alkali Metal Arenedithiocarboxylates: A Facile Synthesis, Dimeric Structure, and Nonbonding Interaction between the Metals and Aromatic Ring Carbons"Inorg.Chem.. 38. 496-506 (1999)

  • [文献書誌] S.Kato: "Facile Synthesis and Structure of Heavy Alkali Metal Thiocarboxylates:Structural Comparison with the Selenium and Tellurium Isologues"Inorg.Chem.. 38. 507-518 (1999)

  • [文献書誌] S.Kato: "First Isolation and Characterization of Sodium and Potassium Tellurocarboxylates:Structural Analysis of Te-Alkyl Telluroester"Inorg.Chem.. 38. 519-530 (1999)

  • [文献書誌] S.Kato: "Bis(phosphine)bis(tellurocarboxylato)-palladium(II) and-platinum(II)complexes:synthesis and crystal sturture"J.Chem.Soc.,Dalton Trans.. 1677-1685 (1999)

  • [文献書誌] S.Kato: "A Facile Synthesis of Potassium Selenocarboxylates and their Oxidation with XeF_2 to Diacyl Diselenides:An X-ray Structural Analysis of Di(4-methoxybenzoyl) Diselenide"Heteroatom Chem.. 10. 373-379 (1999)

  • [文献書誌] S.Kato: "An Unusual Planar Diacyl Ditelluraide(2-MeOC_6H_4COTe)_2:The Origin of Its Planarity"J.Am.Chem.Soc.. 122印刷中. (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi