研究概要 |
本研究では,ヌクレオシドレセプターの開発を目的として,2,6-ジアミノ(或いはジアミド)ピリジンと適切なオリジン環とを適当なスペーサーで架橋したアミノ-アミドピリジン型およびジアミドピリジン型レセプターの合成とウリジンに対する錯形成能について検討し,次のような成果が得られた。 1,アミノ-アミドピリジン型レセプターの合成:DCC法による2,6-ジアミノピリジンとピリジル置換カルボン酸との縮合反応により,6-アミノ-2-(ピリジルアセト(或いはプロピオン)アミド)ピリジンの効率的な合成法を確立した。 2,ジアミドピリジン型レセプターの合成:(1)前述のアミノ-アミド体のN-アシル化により,それぞれ対応する6-アセト(或いはバレロ)アミド-2-(ピリジル置換アミド)ピリジンの合成に成功した。(2)2,6-ビス(クロロメチル置換アミド)ピリジンと3-ヒドロキシピリジンとの反応により,2,6-ビス(ピリジルオキシチメル置換アミド)ピリジンの合成に成功した。 3,ウリジンに対する錯形成能:(1)3-ピリジル置換のアミノ-アミドピリジン型は,ウリジンの核酸塩基・糖の両部位と位置選択的に多点水素結合して1:1錯体を形成し,他の位置異性体によりも高いウリジン認識能を発現することを見いだした。そのN-アシル化ジアミドピリジン型は対応するアミノ-アミドピリジン型と同様式で錯形成するが,より高いウリジン認識能を発現することを明らかにした。(2)2,6-ビス(ピリジルオキシメチル置換アミド)ピリジンは,前述のレセプターとは異なりウリジンの核酸塩基部とは水素結合せず,頭部のみと多点水素結合することを明らかにした。
|