研究概要 |
本研究では,前年度に引き続き非環状ヌクレオシドレセプターの開発を目的として,新規アミノ-アミドピリジン型およびジアミドピリジン型レセプターの合成、自己会合およびウリジンに対する錯形成能について検討し,以下のような成果が得られた。 1)1-ヒドロキシベンゾトリアゾール触媒存在下のDCC法による2,6-ジアミノピリジンとtrans-3-(3-ピリジル)アクリル酸との縮合反応により,アミノ-アミドピリジン型レセプターである6-アミノ-2-ピリジル置換アクリルアミドピリジン(APAP)の効率的合成法を確立した。 2)m-トリル酢酸から誘導したm-(3-ピリジルオキシメチル)フェニル酢酸と6-アミノ-2-アミドピリジンとの上述のDCC法による縮合反応により、ジアミドピリジン型レセプターである6-アミド-2-[m-(3-ピリジルオキシメチル)フェニル]アセトアミドピリジン(APPhAP)の合成に成功した。 3)CDCl_3-DMSO-d_6(95/5)溶液中において、APAPおよびAPPhAPは分子間水素結合により弱く自己会合していることを明らかにした。さらに、APPhAPにおいてアミドプロトンとオキシピリジン環とが強く分子内水素結合していることを見出した。また、同溶液中におけるウリジンとの錯形成について検討した結果、APAPはウリジンのウラシル部と3点水素結合して1:1錯体を形成するのに対し、APPhAPは前述の分子内水素結合を保持したままウラシル部と2点水素結合して1:1錯体を形成することを明らかにした。
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