コムギ赤さび病抵抗性遺伝子のクローニング(Feuillet et al.1997)に用いられたプライマーを利用して、セリン/スレオニンキナーゼの増幅を試みた。エンバク品種IowaX469(エンバク冠さび病抵抗性遺伝子Pc2保有)のゲノムDNAを種々の条件を変えて上記プライマーで増幅したところ、最終的に単一のバンドを得ることができた。このバンドをゲルから切り出し、プラスミドにクローニング後、シークエンスを行った。約50クローンのシークエンスを行ったが、セリン/スレオニンキナーゼドメインを持つクローンは得られなかった。そこで、現在次の2つのことを試みている。 (1)既報のセリン・スレオニンキナーゼ保存領域を参考に新たなプライマーを組み、PCR増幅をおこない、目的断片を探索する。 (2)すでにエンバクcDNAライブラリーから得ているトマトの抵抗性遺伝子Ptoに類似したセリン・スレオニンキナーゼ断片をプローブとしてサザン解析を行ない、Pc遺伝子保有系統にのみ存在する断片を探索する。
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