研究概要 |
昨年に引き続き、エンバクの病害抵抗性発現の初期認識遺伝子-抵抗性遺伝子-をクローニングするため、既報のセリン・スレオニンキナーゼ保存領域を参考に新たなプライマーをデザインし、PCR増幅を行った。得られたバンドをプラスミドにクローニング後、シークエンスを行ったが、最終的に目的の断片は得られなかった。 一方、エンバクの病害抵抗性における後期発現遺伝子のクローニングを試みたところ、ファイトアレキシン(Avenanthramide)合成に関与する鍵酵素CCoAOMTおよびHHTの遺伝子を得ることに成功した。CCoAOMT遺伝子はサブトラクション法により、HHT遺伝子はdegenerate primerを用いたPCR法により得た。前者はalfalfa,parsleyなどのCCoAOMT遺伝子と、また後者はcarnationのHCBT遺伝子とそれぞれアミノ酸レベルで約80%,40%の相同性を有していることが判明した。また、クローニングされたHHT遺伝子を大腸菌で発現させたところ、粗抽出タンパク質中に有意なHHT活性が検出された。
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