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1999 年度 実績報告書

樹幹表面温度のよる樹木の健全度診断法の開発とナラ枯れの初期プロセス

研究課題

研究課題/領域番号 11876036
研究機関金沢大学

研究代表者

鎌田 直人  金沢大学, 理学部, 助教授 (90303255)

研究分担者 江崎 功二郎  石川県林業試験場, 森林環境部, 研究員
矢田 豊  石川県林業試験場, 森林環境部, 研究員
和田 敬四郎  金沢大学, 理学部, 教授 (70028174)
キーワードナラ集団枯損 / ミズナラ / カシノナガキクイムシ / 抵抗性 / 感受性 / イニシャルアタック / マスアタック / 樹幹表面温度
研究概要

(1)個体群生態学的アプローチによるナラ枯れの初期プロセスの解明
カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)の寄主植物であるブナ科樹種の中では、カシナガの選好性と枯れやすさに負の関係が認められた。すなわち、もっとも選好性の低いミズナラが最も枯れやすかった。ミズナラの中には、感受性の個体と抵抗性の個体が存在した。イニシアルアタックの際に、カシナガは衰弱木や感受性の個体を選択していなかった。イニシアルアタックのあと、抵抗性木では穿入孔数が急激に減少したが、感受性木ではマスアタックが引き続いて起こり枯死した。したがって、カシナガが非選択的にイニシアルアタックをしたあと、感受性の個体では、何らかの生理的変化が起こり、マスアタックを誘発したものと考えられる。
(2)ミズナラの生理的変化と樹幹表面温度
未穿入木、穿入生存木、穿入枯死木について樹幹の表面温度を計測 した。カシナガの穿入を受けると、未穿入木に比べて樹幹の温度が上昇した。この反応の違いは、梅雨明けから8月下旬までの気温が高い時期に最も顕著であり、水分通動阻害が温度上昇の原因と推測された。しかし、穿入生存木と枯死木で比較すると、枯死木の方が樹幹表面温度が高い傾向は見られたが有意差はなかった。また、個体単位でみると、ばらつきが大きいため、現時点では枯れの予測診断に利用するのは難しいと思われた。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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