研究概要 |
VEGF発現ベクターの作成とウサギ受精卵へのマイクロインジェクションを行った。 1,ヒトVEGF_<165>を過剰発現させるベクターの作成と精製:CMV promotorをもつVEGF発現ベクター(pUC-CAGGS/hVEGF_<165>)からヒトVEGF_<165>cDNAを切り出し、マクロファージに特異的に発現するためのベクター(pAL-I)に組込み、pAL-I/hVEGF_<165>を作製した。これらのプラスミドを含む大腸菌を培養し、アルカリ法によりプラスミドDNAを調製し、プラスミドを制限酵素で消化し、発現ベクター部分をアガロースゲル電気泳動ゲルから回収した。 2,マクロインジェクション:第1日目にドナー雌にホルモン(妊娠馬血清)150unitを筋肉内注射して過剰排卵を誘発し、第4日目にドナー雌と雄を確実に2回交配させ、さらにヒト絨毛性ゴナドトロピン100unitを静脈に投与する。第5日目に、排卵したドナー雌より受精卵を採取し培養液で洗い、速やかに倒立顕微鏡にセットしたマイクロマニピレーターを用いてDNAの注入を行う。DNAを注入した受精卵は偽妊娠(仮親)雌の卵管内に移植する。 現在までマイクロインジェクションを20回行い、4匹の子ウサギが生まれた。目的遺伝子の染色体への組込みをPCR法およびサザンブロット法によって調べたが、いずれにも組込みは確認できなかった。発現ベクターの確認、インジェクション条件の改善などを検討している。
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