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1999 年度 実績報告書

始原菌の生物時計タンパク質KaiCの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 11877048
研究機関名古屋大学

研究代表者

石浦 正寛  名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20132730)

研究分担者 石野 良純  株式会社生物工学研究所, 機能解析プロジェクト部門, 主任研究員
近藤 孝男  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
キーワード生物発光 / ルシフェラーゼ / 遺伝子発現 / リアルタイムモニタリング / シャノバクテリア / 始原菌
研究概要

KaiCタンパク質は重複構造をとっており、それぞれ前半分(CI domain)と後半部(CIIdomain)のユニットは典型的なATPaseのモチーフ(Walker's motifs A[あるいはP-loop]and B)を持っている。さらにGTP結合タンパク質のDXXGモチーフも持っている。実際にATPやGTPが結合するかどうかを試験管内で検討したところ、結合が認められた。次にこれらのモチーフが結合活性や時計機能に関与するかどうかを、遺伝子改変で解析した。先ずCI domainのP-loop(P-loop1)とCII[domainのP-loop(P-loop2)をそれぞれアミノ置換(52番目あるいは294番目のリジンをヒスチジンに置換)によって破壊した。P-loop1を破壊すると、ATPの結合能が消失し、リズムも完全に消失した。ただしGTP結合能は影響されなかった。一方、P-loop2を同様に破壊すると、ATP結合能、GTP結合能共に影響されなかったが、リズムの周期が70時間に伸びた。P-loop1あるいはP-loop2のスレオニンをアラニンに置換すると、共にリズムが消失した。したがって、P-loop1もP-loop2も共に時計機能に関与すると考えられる。ただし、P-loop1を破壊した場合と、P-loop2を破壊した場合とでは、時計に及ぼす影響の大きさに差が認められたことより、前半分と後半分は重複構造ではあるが、機能的には完全には相同ではないことが示唆された。以上の結果から、KaiCの機能にはATPやGTPの結合が重要であることが分かった。また前半分と後半分は機能的には相同ではないことが判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Iwasaki,T.: "Physical interactions among circadian clock proteins KaiA,KaiB and KaiC in cyanobacteria"EMBO.T. 18. 1137-1145 (1999)

  • [文献書誌] Nishiwaki.T.: "Nucleotide binding and autophosphorylation of the clock protein KaiC as a circadian timing process of cyanobacteria."Proc.Nate.Acad.Sci, U.S.A. 97. 495-499 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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