研究課題/領域番号 |
11877050
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研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
松井 英則 社団法人 北里研究所, 基礎研究所, 室長補佐 (30219373)
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研究分担者 |
本川 賢司 社団法人 北里研究所, 生物製剤研究所, 研究員 (20290968)
岡田 奨 社団法人 北里研究所, 生物製剤研究所, 室長補佐 (60233334)
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キーワード | サルモネラベクター / 粘膜ワクチン / ネコ免疫不全ウィルス |
研究概要 |
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)のgag遺伝子をサルモネラのビルレンスプラスミド上のspv遺伝子の下流に組み込みマクロファージ内で特異的に発現させることに成功した。次にS.typhimurium SR-11株の染色体上のビルレンス遺伝子phoP、rpoE、htrAをそれぞれ欠損させた株にspv-gagプラスミドを挿入しワクチン株とした。7週齢のメスBALB/cマウスへ3株をそれぞれ経口(10^8CFU)あるいは皮下(10^5CFU)投与し、4週間後にGag蛋白質に対する血清中のIgGの値と胆汁、盲腸糞中のIgAの値を調べたところ、ワクチン非接取群に比較していずれの場合も有意に上昇していた。また、ワクチン投与群と非投与群において、体重と体温の変動や活動度に差は認められなかったので、ワクチン株の安全性においては問題が無いと考えられる。有効性においては自然感染宿主であるネコを用いた感染実験を平成12年に実施する。 更に有効なワクチン株の構築のためにspv-gagをプラスミドでサルモネラに挿入するのでは無く、染色体上のpathogenicity island 2中のspiC遺伝子へin frameで組み込んでいる。SpiC蛋白質はtype IIIの機構により菌体外へ分泌する。もしSpiC-Gag蛋白質が分泌するなら、Gag蛋白質は菌体内に留まる場合に比較してより効果的な粘膜免疫抗原となることが期待できる。
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