幸にして今回の萌芽的研究については原著論文がBiogenic Amines1999;15:287-306.に掲載された。切迫流産については、胎児側のドパミン代謝やホルモンの異常については種々報告が有るが母体側についての報告は少なかった。著者らはこの点に着目し、切迫流産に陥りつつある母体のカテコラミン(特にドパミン、DA)、コーチコトロピン・遊離ホルモン(CRH)、プロスタグランジンについて母体尿、母体血液、胎盤を材料として種々の測定をおこなった。プロスタグランジン、その代謝物のDHKF_<2α>は切迫流産者は正常分免者に比べて血中レベルは高かった。また、切迫流産者の胎盤のCRHとDAの価は正常分免者に比べて高く切迫流産者の脱落膜は子宮の収縮を強めるDHKF_<2α>を大量に合成することにより流産を続発する事などが解った。
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