研究概要 |
気管支喘息をはじめアレルギー性疾患は,アレルギー性炎症疾患として捉えられている.しかし,炎症にとっての一つの特徴である発熱という現象に関しての検討は少ない.そこで,気道炎症の発熱を呼気温度にて検討し得るのではないかと着目し,健常人で最大吸気後に最大呼気操作を行い,呼気中温度の基礎的な検討を行った. 今回は基礎的検討に重点を置き,対象を健常者とした.測定法には瞬時に温度変化を捉えられる温度センサーを用いた.はじめに被検者の体温を測定した.呼気測定の温度センサーの一は,(1)マウスピースの奥側(口と咽頭中間)(2)マウスピースの中央側で比較した.次いで,最大吸気後にゆっくり呼出させる方法と,急速に呼出させる方法と2通りで行った.また,(3)マウスピースの出口を半閉の状態でのマウスピースの奥の状態,(4)マウスピースの出口を半閉のマウスピースの中央の状態,(5)100mlのビニール袋に呼出させながらの温度測定例.(6)鼻マスクによる鼻呼気温度の測定である.(1)〜(6)において体温補正を行った.測定時の室温は一定で行った. 最大呼気条件による測定値に及ぼす影響について検討した結果(1)と(3)は,口部での測定である(2)と(4)に比較し高値であった.鼻マスクはマウスピース法より低置であった.また,体温との日をとって補正したところ,ゆっくり呼出させた方が安定しており,(3)の方法が最も安定した値が得られた.また,いずれの方法でも体温より低値を示した.
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