研究課題/領域番号 |
11877107
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
有村 公良 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (20159510)
|
研究分担者 |
亀山 亜砂子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70244225)
亀山 正樹 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60150059)
|
キーワード | プラズモン共鳴法 / 抗チャネル抗体 / Kチャネル / アセチルコリン受容体抗体 / Isaacs症候群 / 重症筋無力症 |
研究概要 |
(1)K抗チャネル抗体 本年度は、まず電位依存性Kチャネル(VGKC)を有することが、Patch clamp法で確認されている培養細胞(NB1、PC12)の細胞成分を抗原として、Isaacs患者免疫グロブリン中の抗VGKC抗体をSPR法を用いて測定を試みたが、非特異的結合が強く抗体の測定系として実用的ではなかった。このため当初予定したように、本年度はリコンビナント・ヒトVGKC(hKv1.6)蛋白中の作成を行った。HKv1.6-GSTの融合蛋白質をcDNAより大腸菌にて発現させ、精製した。さらに、患者血清中の自己抗体のVGKC抗原認識部位を明らかにする目的で、自己抗体が結合すると考えられる。細胞外セグメントSI-II、SIII-IV、SV-VIのリコンビナント蛋白質も同様の方法で作成した。Isaacs患者の免疫グロブリン中に抗VGKC抗体が存在するか否かについて、患者免疫グロブリンと精製したVGKC蛋白質を反応させた後、proteinGビーズで回収し、抗GST抗体を用いたimmunoblotting法にて検討した。その結果、精製VGKC蛋白質に反応する自己抗体が陽性な症例があることが明らかとなった。本年度はこのリコンビナント蛋白質の作成に時間を要し、それを用いたSPRでの検討はできなかったが、次年度は実際にSPRを用いて、抗体の結合能の検討や少量の検体で測定可能な高感度測定法を開発する。さらに作成した細胞外セグメントを用いて、自己抗体が認識する抗原の部位を明らかにする。 (2)抗アセチルコリン受容体抗体 本年度は臨床的に重症筋無力症が確定した50例において、α-Bungarotoxinを用いた免疫沈降法による抗アセチルコリン受容体抗体の測定を行い、24例で抗体が陰性であることを確認した。これらのseronegative症例において、アセチルコリン受容体のα-Bungarotoxin結合部に対する抗体が存在する可能性を考え、この部位の合成ペプチド(α183-200)を作成した。次年度はこのこのペプチドに対する抗体の有無についてSPR法を用いて検討する。
|