研究課題/領域番号 |
11877122
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
最上 紀美子 山口大学, 医学部, 助手 (80263771)
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研究分担者 |
轟 奈津子 (池田 奈津子) 山口大学, 医学部, 助手 (90253153)
水上 洋一 山口大学, 医学部, 講師 (80274158)
小林 誠 山口大学, 医学部, 教授 (80225515)
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キーワード | スフィンゴミエリナーゼ / in situ内皮細胞 / 冠動脈 / 細胞質カルシウム濃度 / NO / 内皮依存性弛緩 / 内皮由来過分極因子 |
研究概要 |
血管の異常収縮に対するsphingomyelinaseの作用について検討した。 1.ウシ大動脈弁in situ内皮細胞の細胞質Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)に対する作用を調べるため、蛍光試薬fura-2を用いた[Ca^<2+>]i測定を行ったところ、sphingomyelinaseは[Ca^<2+>]iに影響を与えなかった。 2.ウシ大動脈弁in situ内皮細胞のNO産生に対する作用を調べるため、2,3-diaminonaphthalene法を用いたNO測定を行ったところ、sphingomyelinaseはNO産生を有為に増加させた(P<0.05)。 3.予めU-46619で異常収縮させたウシ冠動脈標本の血管張力に対する作用を調べたところ、内皮付の標本にsphingomyelinaseを作用させると、持続的な著しい弛緩がみられた。この弛緩はNO合成阻害剤であるLNMMA存在下または40mM KCl存在下で著しく抑制されたが、indomethacin存在下では抑制されなかった。また、sphingomyelinaseによる血管弛緩作用は、内皮を除去した標本では認められなかった。 4.膜電位感受性色素DiBacを用いて膜電位を調べたところ、内皮付のウシ冠動脈標本ではsphingomyelinaseにより平滑筋細胞の過分極が引き起こされたが、内皮を除去した標本では過分極は起きなかった。またウシ大動脈弁in situ内皮細胞においても過分極はみられなかった。 以上のことから、sphingomyelinaseはin situ内皮細胞においてカルシウム非依存性にNO産生を増加させるだけでなく、内皮依存性過分極因子を放出し、内皮依存性血管弛緩反応を引き起こすことが明らかとなった。以上のことから、sphingomyelinaseは血管の異常収縮の抑制に重要な働きをしていると考えられる。
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