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1999 年度 実績報告書

膜4回貫通型蛋白CD9は亜急性硬化性全脳炎の発症、病勢に関与するか

研究課題

研究課題/領域番号 11877137
研究機関久留米大学

研究代表者

清水 透子  久留米大学, 医学部, 助手 (30289441)

キーワードSSPE / CD9 / 脱髄性疾患
研究概要

CD9は膜4回貫通型蛋白質のひとつで,造血系の細胞に広く発現しており,細胞の移動能や接着能に関与し,癌細胞の転移にも関わっている。我々はCD9は造血系の細胞だけでなく,ミエリンの主要な構成成分であり,中枢,末梢神経系のミエリンに発現していることを示した。また,他の研究者により,胎生期にはニューロンに発現し,その伸長に関与していることが示唆された。そこで,種々の神経疾患においてCD9をターゲットにした疾患がないかどうか,患者髄液を採取し,髄液中の抗CD9抗体をELISA法にて測定したところ,コントロール群や,他の脱髄性疾患や,神経変性疾患では検出されなかった。また,神経疾患以外の自己免疫性疾患や血液疾患の患者でも検出できなかったが,亜急性硬化性全脳炎(SSPE)にて全例で高値を示した。さらに,SSPEの患者剖検脳全例においてCDは脱髄巣だけでなく,非脱髄巣においても,その抗原性は消失しており,CDの抗原性の低下領域は麻疹ウイルスの存在部位と一致していた。これに対して,他のミエリン蛋白であるMBPは脱髄のひどいところにのみ抗原性を失い,非脱髄巣では抗原性を有していた。このようなCD9の抗原性の脱髄巣非脱髄巣における差異は他の脱髄性疾患の剖検脳では認められなかった。CD9に対する抗体はSSPEのJabour分類stage1よりすでに高値を示し,stage2-3の,脳萎縮に先行してピークを示していた。このことは,SSPEの発症,病勢にCD9が関与していることを示唆している。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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