研究概要 |
コラーゲンでコートしたシリコンの培養皿に表皮角化細胞を培養し、培養皿をそれぞれ10%、20%、30%伸展して固定し、張力をかけて培養を継続した。1週間後の細胞数を計測したところ、10%伸展させた場合に、伸展させなかった場合より細胞数の増加がみられた。培養条件(カルシウム濃度や細胞成長因子など)による影響とHACAT細胞や腫瘍細胞株を用いた比較検討を今後行う予定である。 張力による細胞内シグナル伝達系の関与を調べるために、まずERK1,2に注目した。表皮角化細胞伸展の有無によるERK1,2の発現を免疫ブロット法により検討したところ、伸展15-30分後に発現の亢進が認められた。今後JNKとp38の系についても検討する予定である。 張力が表皮角化細胞の遊走に及ぼす影響を調べる実験では、張力のかかる方向への遊走が増加すると仮定したが、まだ証明できるような遊走パターンは観察されていない。アッセイ系を含めて現在も検討中である。
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