研究概要 |
(1)ダリエ病の表皮細胞培養 ダリエ病の健常部皮膚,病変部皮膚,および対照として正常ヒト皮膚を採取後,Dispase-trypsin法で処理し表皮細胞の浮遊液を作り,これをカルシウム濃度0.1mM培地により単層上皮細胞の状態で培養した。 (2)光顕レベルでの免疫組織化学 ダリエ病の健常部皮膚,病変部皮膚,および正常ヒト皮膚の培養表皮細胞に0.5%Triton X-100,0.05%Triton X-100を加えたのち,また一部は無処置のまま免疫染色を行った。一次抗体としてデスモゾームの構成蛋白であるdesmoplakin,plakoglobin,desmoglein,desmocollin,band 6 protein,plectin,adherens junctionの構成蛋白であるvinculin,E-cadhelin,P-cadhelin,actin,α,β,γ-catenin,α-fodrin,β-spectrin,tight junctionの構成蛋白であるconnexin,細胞表面糖蛋白であるCD44に対するそれぞれの抗体をた。 (4)コンフォーカル顕微鏡による観察 上記の免疫組織化学染色については,蛍光顕微鏡のみならずコンフォーカル顕微鏡によりさらに詳細な蛍光の分布を観察した。 (5)凍結固定,凍結置換法を用いたpost-embedding免疫電顕法 ダリエ病の病変部表皮細胞、非病変部表皮細胞、単層培養表皮細胞、2〜3層培養表皮細胞、重層培養表皮細胞をさらにコラーゲン膜上で培養し,それを細切してグリットにのせ,凍結固定装置を用いて-190℃に冷却した液体プロパン中に急速に挿入し,凍結固定する。凍結置換装置に写し,-80℃に保ったままアセトン置換し(凍結置換),Lowicryl K11Mに包埋,超低温(60℃)のまま数日間紫外線重合させた後,超薄切片を作り,これを基質としてラベリングを行う。一次抗体として上述した抗体を用い,金コロイド標識二次抗体と反応させたのち電顕的に観察した。
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