研究課題/領域番号 |
11877147
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
池平 博夫 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (50150313)
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研究分担者 |
須原 哲也 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (90216490)
大須賀 敏明 千葉大学, 理学部, 助手 (80223816)
棚田 修二 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 研究員 (40116950)
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キーワード | NMR / 超高磁場 / fMRI / スペクトロスコピー / 多核種 / 安全性 |
研究概要 |
本年度の検討の結果、3〜4Tの環境下での経験から1.5Tの環境に比較して、機能画像(fMRI)あるいは拡散強調画像の施行には、ほぼ満足のいく結果が得られることが解ってきた。しかし、軽水素を含めたスペクトロスコピーや多核種イメージングに関しては、4T程度ではまだまだ信号強度も化学シフトの広がりも不十分であるなどの問題が存在し、1.5TのMRIに比較して大きなインパクトを得ることが出来ないこともまた明らかになってきた。その上、この磁場環境は人体がアンテナとなって照射電磁波による影響を最も受けやすい周波数帯域(130〜170MHz)を使用しているので、安全性の上からも問題が大きい。 これらの諸問題を解決できる可能性のある磁場領域が、7T〜10Tの磁場帯域である。10T程度の臨床用NMR装置の開発は、現在の科学技術力を持ってすれば十分可能であることも机上では確認され、我々は概念設計まで行って図面上可能であることを示し、将来に可能性を明らかにした。 今年度、ミレニアムプロジェクトの一環として、10T程度の人体用超高磁場NMR建設を要求し、研究計画書の上程を行ったが、満足のいく結果は得られなかった。超高磁場のNMR研究は、将来の臨床診断技術開発にとって非常に重要なプロジェクトになることは明らかで、今後も予算獲得の努力をしたい。 今後も現在使用出来る研究環境の磁場強度における限界能力を考慮した、高空間分解能、高速撮影および拡散運動強調画像のパルス系列を作成し、それぞれの条件下での実験的限界と、S/Nの評価を行う予定である。
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