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2000 年度 実績報告書

重粒子線CTに関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11877155
研究機関茨城県立医療大学

研究代表者

阿部 慎司  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教授 (00274978)

研究分担者 佐藤 斉  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (90285057)
西村 克之  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (10129158)
稲田 哲雄  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50114038)
藤崎 達也  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (00285058)
キーワード重粒子線CT / ベーテ・ブロッホの式 / 残留飛程分布 / 投影断面定理 / 電子密度空間分布 / 重粒子線治療 / II付きビデオカメラ / 蛍光板
研究概要

1.研究目的
X線に比べ優れた線量分布及び生物学的効果を持つ重粒子線による癌の放射線治療の重要性が益々大きくなっている。現在重粒子線と性質の異なるX線を用いたCT画像により重粒子線治療計画が行われているが、より精度を高めるためには重粒子線そのものを用いて生体内の特性を計測する必要がある。そこで、重粒子線治療の精度向上を目的として、重粒子線治療の計画線量分布を得るための重粒子線CTの基礎的研究を行う。
2.研究方法
2.1解像力特性評価用ファントムの作成
空間分解能評価用ファントム(壁厚2mm、外径6,8,10mmのPMMAパイプを水中に置いたもの)と密度分解能評価用ファントム(密度の異なる6種類の材質からなる円柱を水中に置いたもの)を作成した。
2.2残留飛程分布の測定と再構成
ステージコントローラを用いてファントムを回転させ、レンジシフタの厚さを変化させて得られたファントムの投影像より任意の回転角における残留飛程分布求め、CT画像の再構成を行った。
3.研究結果
Shepp-Loganフィルタを用いた逆投影法により再構成を行った。その結果、空間分解能評価用ファントムの再厚構成画像では壁厚2mmのアクリルパイプ全ての断面像がはっきりと描出された。また、密度分解能評価用ファントムの再構成画像では密度1.00g/cm^3である水の中に置かれた密度差0.15g/cm^3以上のNylon、PMMA、POM Duraconの3本が描出された。
4.考察(結論)
空間分解能評価ファントムと密度分解能評価ファントムを作成し、近似的の電子密度の空間分布に関する重粒子線CT画像を再構成することができた。その結果、このシステムの空間分解能は約2mm、また密度分解能はおよそ0.1g/cm^3程度であることが明らかとなった。このことから重粒子線治療計画線量分布を検証する一手段として重粒子線CTが有用な方法となりうると考えられる。
今後の課題として、短時間で残留飛程分布が得られる自動化された撮像システムを構築するとともに高感度でかつノイズの少ない検出系の選択や被写体の被曝線量と画質特性の評価が挙げられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shinji Abe, et al.: "Performance of Heavy Ion CT system with Fluoroscopy Detector and Range Shifter"Jpn J Med Phys. 20[Suppl.4]. 282-285 (2000)

  • [文献書誌] Shinji Abe, et al.: "Spatial and Density Resolutions in Heavy Ion CT Based on Reconstruction from Residual Range Distribution"Radiotherapy and Oncology. 58[Suppl.1]. S116 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2013-11-25  

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