研究課題/領域番号 |
11877178
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
清水 英男 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80129030)
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研究分担者 |
菱木 俊匡 順天堂大学, 医学部, 助手 (70306934)
大室 博之 順天堂大学, 医学部, 助手 (00276495)
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キーワード | 腎糸球体 / 毛細血管網 / 立体構造 / 位相幾何学 |
研究概要 |
1.剖検例の中から、動脈硬化のない33歳女性を選び、その腎組織(正常コントロール)を採取した。 2.その腎組織片を実体顕微鏡下で観察し、被膜直下と傍髄質部それぞれから20個の腎糸球体を単離した。 3.単離した糸球体の内皮組織を標識すべく、phalloidin、UEA-1、GSLI-B4などの抗体の有効性を検討した。その結果、ヒトの糸球体の内皮細胞は、UAE-1に最も良く標識されることがわかった。 4.UAE-1を標識した糸球体を、2-photon typeのレーザー共焦点顕微鏡で観察した。ところが、直径200μm余りある糸球体の表面の30μmほどくらいの範囲しか、明瞭な像を得ることができなかった。 5.その原因としては、次の2つのことが考えられる。すなわち第一に、抗体は単離した糸球体の外側から反応させているため、抗体が糸球体の中心部まで浸透していないという可能性が考えられる。次にたとえ最新型のレーザー共焦点顕微鏡(2-photon type)といえども、200μm余りの厚みのある構造物の最深部までレーザーが到達できないか、あるいはレーザーの反射光を感知できないという可能性が考えられる。 6.その原因を突きとめ研究を継続するためには、ヒトよりも小さな腎糸球体(直径約100μm)をもつマウスを用い、その腎動脈から抗体を灌流する(糸球体全体に抗体を行き渡らせる)必要があることがわかった。 7.現在、マウスでの実験の方法や手技について検討中である。
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