研究概要 |
本研究計画では、酵母(S.cerevisiae)内にて、広く哺乳動物の転写因子活性化能の定量を可能とするシステム(yeast-based luciferase assay;以下YLAと略)の構築を目的とする。それにより、転写因子の制御因子を単一あるいわ複数個同時発現して制御システムを酵母内に再構築して検討を可能とする。本年度は以下の成果を得た. 1)p53 responsive element(p21,Bax)を含むプロモータ駆動下にFirefly luciferaseを発現する酵母染色体組み込み型リポータプラスミドを作成し,これを酵母株yPH857の染色体に組換え導入してリポーター酵母株を作製した. 2)同時にp53 family蛋白であるp53,p73,p63とRenilla luciferase(内部標準)酵母内に発現させる酵母発現ベクターを作製した. 3)酵母発現ベクターによりp53をリポーター酵母株に発現させ,ELISA定量および内部標準Renilla luciferaseにてモニターされるp53発現量に依存してFirefly luciferaseの転写が起こることが確認され,YLAの基盤技術を確した. 次年度はp53,p73,p63遺伝子とともにcDNA libraryをADE2またはFirefly luciferaseのリポーター酵母株に導入し,p53 family蛋白の転写活性を調節する新しい遺伝子のクローニングをモデル実験として行う予定である.
|