研究課題/領域番号 |
11877234
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小林 英一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (10225493)
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研究分担者 |
山浦 晶 千葉大学, 医学部, 教授 (40009717)
佐伯 直勝 千葉大学, 医学部, 助教授 (30143275)
山上 岩男 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (90241968)
内野 福生 千葉大学, 医学部, 助手 (80323400)
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キーワード | 頸動脈 / ステント留置術 / 遠位塞栓 / 血行動態 / 圧勾配 |
研究概要 |
平成11年度の結果を基に、本年度は外頸動脈より内頸動脈への安定した逆流発生のための条件を検討した。ビーグル成犬10頭を用い0.6ml/kgのネンブタール静脈麻酔下に、セルジンガー法にて総頚動脈にバルーンカテーテルを誘導し、一時的閉塞を施行、同時に対側外頸動脈にもバルーンカテーテルを誘導した。単純な総頚動脈閉塞では、外頸動脈の側副血行路が内頸動脈のそれに勝るため、pilot study用3頭の成犬全例で、外頸動脈より内頸動脈への順行流が出現した。このため対側外頸動脈を閉塞し、対側外頸動脈から同側外頸動脈への側副血行路を遮断し、さらに陰圧で対側外頚動脈よりの吸引を付加した。この操作により若干の内頸動脈から外頸動脈への逆流が得られた。しかしこれは極めて不安定な逆流で、陰圧付加を中止すると再び順行流になった。血管内皮細胞のバルーン障害モデルを作製し、この陰圧付加条件下において実際のステントを使用し、遠位塞栓の脳血管内迷入を調査した。ステントは全例self-expandable typeのEasy Wallstentを用い、前拡張なしに直接目的血管に留置した。遠位塞栓の判定には頸動脈ドップラーエコー法を用いたが、遠位塞栓事態の発生が微量で、捕らえられた塞栓シグナルは内頸動脈・外頸動脈とも同数であった(12.5:13.5)。これは不安定な逆流に起因するもので、対側外頸動脈に留置し得るバルーンカテーテルが2.5F径と細く、充分量の血液吸引ができなかったことと、人と異なりイヌでは大変豊富な外頸動脈側副血行路の存在によると推定された。結論として、本研究では安定した内頸動脈逆流を作製し得なかったが、条件次第では、本法を用いることで遠位塞栓を軽減し、安全なステント留置が施行得る可能性が示唆された。今回の結果を基に、今後バルーン閉塞試験などの実際の臨床例で、逆流発生の条件を検討してゆく予定である。
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