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1999 年度 実績報告書

脊髄損傷の根本的治療-中枢神経再生への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 11877240
研究機関京都大学

研究代表者

鈴木 義久  京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30243025)

研究分担者 遠藤 克昭  京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30025613)
西村 善彦  京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50081790)
キーワードアルギン酸 / 末梢神経再生
研究概要

哺乳類の中枢神経の再生の実験を、褐藻類より抽出・精製し、我々が独自に改良し、細胞毒性を無くしたアルギン酸スポンジを用いて行った。アルギン酸ゲルをラットの脊髄に移植し、脊髄内軸索の再生を検討した。ラット(生後10日および30日)の胸髄(Th7-9)を完全に切断、除去し、2mmのギャップを作成した。ここに、先のアルギン酸をスポンジ状に加工したものを移植した。移植術後6-8週間で、電気生理学的にギャップを越えた信号伝達が、上行性にも下行性にも見られた。また、術後8週間で組織を固定し、光学顕微鏡で見るとギャップの中央部に、再生したものと思われる有髄軸索が多数見られた。この軸索を透過型電子顕微鏡で観察すると、有髄軸索や、無髄軸索が見られた。この有髄軸索は、未梢神経の形態をとってはいたが、存在部位より中枢神経系に属する脊髄内軸索であろうと考えられた。移植術後8週間で固定した組織を、免疫組織化学的に染色した。神経組織、神経膠組織に特異的に結合する各種の抗体を用いて染色したところ、ギャップの内部に、再生軸索、感覚性軸索、錐体路の軸索などが確認できた。移植術後3-6ヶ月の時点で、軸索の順行製トレーサーとして、HRPを坐骨神経・大脳皮質に注入し、標識された軸索を観察した。その結果、幼若な時点で移植したラットでは、上行性の軸索(後索路)はギャップを越えて約8mm頭側まで伸びていることが確認できた。下行性軸索(錐体路)でも幼若なものは、約2mm尾側まで伸長していることが確認できた。生後30日ラットでも、数は少ないものの、ギャップを越えて伸長している脊髄内軸索が上行路、下行路とも確認できた。脊髄内軸索が移植したアルギン酸を通って再生、伸長し対側の脊髄に再侵入していることがわかった。運動機能回復など、まだ問題点は多く、今後の研究課題となる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kitahara,A.K.: "Facial nerve repair using collagen nerve conduit"Scandinavian Journal of Plastic and Reconstru.Surg.and Hand Surg.. 33. 187-193 (1999)

  • [文献書誌] Suzuki,Y.: "In vivo evaluation of a novel alginate dressing"J.of Biomed.Materials Res.(Applied Biomaterial). 48. 522-527 (1999)

  • [文献書誌] Suzuki,Y.: "Peripheral nerve regeneration across 50mm gap repaired with a novel nerve guide composed of freeze-dried alginate gel"Neuroscience Letters. 259. 75-78 (1999)

  • [文献書誌] Yamawaki,Y.: "Eustatian tube cartilage and medial movement of lateral pharyngeal wall on phonation"Plastic and Reconstructive Surgery. 104. 350-356 (1999)

  • [文献書誌] Suzuki,Y.: "Regeneration of transected spinal cord in young adult rats using freeze-dried alginate gel"Neuroreport. 10. 2891-2894 (1999)

  • [文献書誌] Suzuki,Y.: "Reconstruction of rat peripheral nerve gap without sutures using freeze-dried alginate gel"J.of Biomed.Materials Res.. 49. 528-533 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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