研究課題/領域番号 |
11877244
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
林 明宗 横浜市立大学, 医学部附属浦舟病院, 講師 (60285103)
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研究分担者 |
服部 聡 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40275037)
菅野 洋 横浜市立大学, 医学部, 講師 (40244496)
川本 進 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80125921)
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キーワード | 遺伝子銃 / 脳 / 遺伝子導入 / グリオーマ / 神経細胞 / GFP / lacZ |
研究概要 |
中枢神経系に遺伝子銃による遺伝子導入の可能性を検討した。遺伝子銃は、金粒子の表面にDNAを付着させ、ヘリウムガスの圧力で加速し、遺伝子を細胞内に導入する装置である。 使用機種は、日本医科機械製PIGG-3を用い、比較として、Bio-rad社製1lelios型を用いた。後者は、ガスが直接対象にあたるのに対し、前者は、ガスがあたらないように改良されている。導入遺伝子は、pEF-EGFPとpCMV-lacZを用いた。 Culture dishで培養したmonolayer cellに遺伝子導入を試みた。Helios型では、dish中心部の細胞は、導入に伴う時に生じる風圧により、傷害を受け、大部分は消失した。一方、PIGG-3は、細胞傷害性は、ほとんど認められなかった。さらに、走査型電子顕微鏡で、確認したところ、細胞内に、金粒子が入っているのが確認され、細胞傷害性も認められなかった。 in vitroの実験において、lacZを導入したところ、マウスグリオーマ細胞では、導入効率ほぼ100%、ラット胎児脳由来の神経細胞には、導入効率30%で遺伝子の導入が認められた。さらに、スライスカルチャーにも、導入可能であった。 次に、in vivoでラット脳への導入を試みた。ラットを麻酔下で、開頭し、硬膜を、顕微鏡下で、除去し、脳実質を露出した。PIGG-3で、脳表面に、pEF-EGFPを導入した。導入直後の明らかな挫傷は認められなかった。1週間後に、脳を観察すると、蛋白の発現が確認された。 今後、脳への遺伝子療法の新たな方法の一つとして有用と考えられる。
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