気管内挿管下の人工呼吸中の患者の苦痛はお喋りできないことである。気管内挿管下の人工呼吸中の患者のquality of lifeを改善するにはお喋りできる人工呼吸器の開発が不可欠である。そこで、人工呼吸中の人を対象に舌を含む上顎下顎筋肉の或る一定の運動を顎表面から筋電図波形として捕らえ、この顎表面からの筋電図を解析し、五十音、例えば"あいうえお"に一致した特有の波形を特定する操作を繰り返すことでお喋りする人工呼吸器の開発を開始した。先ず、4極の筋電図モニタ機能を有するバイオアンプで筋電図をモニタし、筋電図の波形をパワーラブを介してコンピュータに記憶させ、個々の"あ" "い" "う" "え" "お" に一致した特有の波形を特定する操作を繰り返している。数人の人の検討では、まだ、解析に耐える十分な特有のデータを得るに至っていない。今後はコンピュータ解析を駆使し、先ず、特有の波形の検出に努力する。多くの人で同じ波形が確認できることを確認する。被験者を変え個々の"あ" "い" "う" "え" "お" に一致した特有の波形を特定する作業を繰り返す。特有の筋電図波形を明らかにするために、上顎下顎部の種々の位置で筋電図の波形解析を繰り返す。コンピュータを用い、4つの筋電図の波形解析を行い或る特定のパターンを認識する操作を繰り返す予定である。もし、この方法が不可能であれば、テレビカメラを用いた画像認識による"あ" "い" "う" "え" "お" の認識も検討する。
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