研究概要 |
・ヒト腎癌組織中の発現:Angiopoietin-1,2の蛋白レベルでの発現量を測定するためにそれぞれのポリクローナル抗体をラビットを用いて作成した.Western blot法により,サンプル数は少ないものの症例によってそれぞれの発現に有意差が認められた.ただ,転移の有無との相関は適した症例がないため確認できていない.また,mRNAレベルの発現については定量的RT-PCR法によって確認し蛋白レベルでの発現とほぼ同様の結果が得られた.P53との関連については蛋白レベル,mRNAレベルともにAngiopoietin-1,2とは明らかな相関は認められなかった. ・レセプターTie-1のリガンド検索:まずTie-1に対して4種類のポリクローナル抗体をラビットを用いて作成した.これを使ってヒト腎癌組織中のリガンドを免疫沈降法にて検索したがリガンドの共沈は得られなかった.このため,Tie-1蛋白を生成しBIACOREを使ってリガンド検索を行うこととした.蛋白生成にはバキュロウィルス蛋白発現システムを使用している.現在,RT-PCR法にて作成したcDNAをExpression Vectorにsub cloningしsequenceの確認を行っている. ・今後の予定:Angiopoietin-1,2の役割として血管新生以外に転移,特に腫瘍細胞の血管内侵入のメカニズムと関係があるかどうかを検討する.このためにヒト腎癌細胞を用いてin vivo,in vitroでの転移モデルを作成し,それぞれの因子の発現及び機能を検討していく.
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