研究概要 |
軟骨形成におけるFrzb-Wnt調節機構の意義を解明するために、実験を行い、以下の結果を得た。 1) 軟骨組織に発現しているWntのスクーリング: 軟骨組織にWnt3,Wnt5a,Wnt4,wnt7b,wnt8cが発現しているこtが明らかになった。 2) このうち、Wnt8cは軟骨形成領域周囲に発現し、その後、軟骨の発生が進行すると、軟骨の肥大化層に強く発現することが判明した。 3) 肢芽細胞培養系において、Wnt8はchondrogenesisの誘導を強力に阻害した。Frzb-1の強制発現はWnt8のhondeogenisis誘導に対する抑制作用を阻害した。 4) Wnt8cは軟骨細胞の石灰化を強力に促進すること、逆に、Frzb-1は軟骨細胞の石灰化を抑制すること、およびWnt8とFrzb-1は互いの作用を抑制しあうことが明らかとなった。 5) Wnt8cを鶏胚肢芽に強制発現させると、骨格組織の形成異常が生じた、現在、組織学的検索により誘導された変化を解析中である。 上記の結果より、軟骨発生において、Frzb-1-Wnt分子の制御機構が存在し、軟骨形成誘導と石灰化誘導という2つの点の制御において重要な役割を果たすことが強く示唆された。
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