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1999 年度 実績報告書

薬剤性味覚障害-その発生の分子メカニズム-

研究課題

研究課題/領域番号 11877325
研究機関長崎大学

研究代表者

佐藤 俊英  長崎大学, 歯学部, 教授 (60013968)

研究分担者 藤山 理恵  長崎大学, 歯学部, 助手 (10274664)
宮本 武典  長崎大学, 歯学部, 助手 (10167679)
岡田 幸雄  長崎大学, 歯学部, 助教授 (60136687)
キーワード味覚 / 薬剤性味覚障害 / 四基本味 / ラット / 味神経応答 / 味細胞 / Ca^<2+>チャネルのブロッカー / 細胞内情報伝達の抑制
研究概要

1.私は2年前に心筋梗塞にかかり、手術を受け、入院中及び退院後も血管拡張剤、不整脈ブロッカー、抗血栓剤やβブロッカーの経口投与を続けている。このような各種薬剤の投与によって食欲不振と味覚障害が生じる。本研究の目的はこのような各種薬剤をラットに経口投与して味神経応答を指標として、味覚障害のメカニズムを解明することである。2.約300gのウィスター系ラットの鼓索神経から4基本味刺激に対する応答を導出し、薬剤投与の前後で味応答を比較した。3.抗血栓剤の塩酸チクロピジン(【○!R】パナルジン)150mg/kgを3日間経口投与した。その結果、NaClに対する濃度-味神経応答曲線は相動性及び持続性応答においても、全ての濃度で対照値より上昇する傾向にあった。しかしショ糖、HCl及び塩酸キニーネの味神経応答は全ての濃度範囲で対照値と差がなかった。4.Ca^<2+>チャネルのブロッカーで抗不整脈作用及び血管拡張作用を有する塩酸ジルチアーゼム(【○!R】ヘルベッサー)の25mg/kgを3日間経口投与し、味神経応答を対照群と比較した。相動性味神経応答は、ヘルベッサー投与後、HClで低下、NaClで上昇する傾向にあった。持続性応答はヘルベッサー投与後、HClで低下する傾向にあった。他の応答は対照値と差はなかった。5.2種類の薬剤を投与し、味覚の末梢神経系に対する影響を検討したが、今回の方法では大きな差異はみられなかった。パナルジンによるNaCl応答の上昇傾向、ヘルベッサーによるNaCl応答の上昇傾向及びHCl応答の低下傾向をどのように説明するかは容易ではない。味覚の末梢系に対する薬剤の作用部には3つの部位の味細胞、味神経及び味細胞と味神経間のシナプスがある。おそらく味細胞に対するパナルジン及びヘルベッサーの作用が今回の結果に至ったと推察される。6.今後は複数の薬剤の同時投与の味神経応答への効果及び各薬剤の味細胞のイオンチャネルへの効果を調べる。このことで薬剤性味覚障害のメカニズムが明らかになる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 佐藤 俊英,他: "カエル舌咽神経遠心神経が誘発する緩徐電位の味細胞応答への影響"味と匂誌. 6. 545-548 (1999)

  • [文献書誌] Sato,T.,et al.: "Distributions of sensory spots in the hand and two-point discrimination thresholds in the hand,face and mouth in dental students"J.Physiol.(Paris). 93. 245-250 (1999)

  • [文献書誌] Miyamoto,T.,et al.: "Strain difference in amiloride-sensitivity of salt-induced responses in mouse non-dissociated taste cells"Neurosci.Lett.. 277. 13-16 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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