研究概要 |
1.歯根膜細胞におけるデスモゾーム関連蛋白の発現について (1)組織切片上の歯根膜細胞ならびに培養歯根膜線維芽細胞の両者においてデスモプラキン,デスモグレイン,デスモコリンの発現が認められ,歯根膜細胞におけるデスモゾーム様構造物が存在することが示唆された. (2)デスモプラキンとデスモグレインの発現は培養歯根膜線維芽細胞において若年者よりも老年者で有意に多かった.このような細胞間接着装置関連蛋白の発現が年齢に相関して増大することの意義については,現在検討中である. 2.歯根膜細胞におけるgap junction関連蛋白の発現について (1)組織切片上の歯根膜細胞及び培養歯根膜線維芽細胞の両者においてconnexin43ならびにconnexin32の発現が認められ,歯根膜細胞間におけるgap junctionの存在が示唆された. (2)培養歯根膜線維芽細胞においてconnexin43は接触する隣接細胞がないものでは発現されないが接触のあるものでは発現されること,接触の増大に伴って発現が増すこと,対照的にconnexin32は接触する隣接細胞の有無にかかわらず種々の程度で発現されることが明かとなった.このことはconnexin43とconnexin32は歯根膜細胞においてそれぞれ異なる機能を果たしている可能性を示唆する.
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