研究概要 |
研究計画どおり、口腔癌手術材料の採取と保存をおこなっていった。一方、ヘパラネースの精製と抗体の作成を進める中、Vlodavskyをはじめとするグループらにより、遺伝子クローニングが発表され(Nature Medicine,vol.5,1999)、研究計画の一部変更をおこなった。 1)ラットのヘパラネース遺伝子クローニング 前述のヒトヘパラネースに対し、今後in vivoの実験系を進めていく上で、動物実験モデルのヘパラネースの解析が不可欠となる。そこで、ラットのヘパラネースの遺伝子クローニングを行い成功し、さらに、GenBank Sequence Databaseへの登録をおこなった。(AAF04563(AF184967)heparanse,31-OCT-1999) 2)口腔癌細胞株におけるヘパラネースの発現 いくつかの口腔癌細胞株で、ヘパラネース活性、mRNAの測定を行い、それらの間によい相関があることがわかった。このことから、癌細胞のmRNAの分析によって、細胞がもつヘパラネース活性のレベルが確認でき、転移診断法の確立への可能性が示唆された。(39^<th> American Society for Cell Biology AnnualMeeting,Washington D.C.,U.S.A,Dec,1999,及び日本口腔腫瘍学会(名古屋)2000年1月で発表) 3)手術材料におけるヘパラネースの発現 凍結手術材料口腔癌組織から、total mRNAを抽出し、ヘパラネース遺伝子の発現レベルを検索し、その悪性度と比較した。今後、症例数を増やし、悪性度との相関について、調べていく予定である。
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