研究課題/領域番号 |
11877352
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
浜川 裕之 愛媛大学, 医学部, 教授 (20127905)
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研究分担者 |
栢原 浩彰 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (50263942)
福住 雅州 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (60294815)
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キーワード | 口腔癌 / 遺伝子診断 / 集団検診 / テロメラーゼ / hTERT |
研究概要 |
平成11年度より継続して、口腔癌患者の口腔洗口液から細胞成分を集め、それら剥離細胞の解析により主にテロメラーゼを指標として口腔癌の診断を試みてきた。その結果、有用な知見とともに様々な問題点が明らかとなった。 我々は、昨年度報告したように、洗口液中の雑菌、食片などの不純物がテロメラーゼ活性に影響を及ぼすことを重視し、より簡便で混入物の影響を受けにくいRT-PCR法により検出が可能な、テロメラーゼ触媒サブユニットであるhTERT-mRNAの検索を行った。我々は、口腔癌組織では、この遺伝子のmRNA発現レベルはテロメラーゼ活性とよく相関することを既に明らかにしているが、テロメラーゼ活性陰性の異型上皮においてもいくつかの症例においてはhTERT-mRNAは検出可能であった。また、他施設の結果であるが尿中の剥離細胞や、膀胱の洗浄液など様々な体腔液を用いた検索においてもhTERT-mRNAに関して同様の報告がなされている。 このように、我々は本萌芽的研究においていくつかの新しい知見を得た。しかし、さらなる検出感度の向上のためにはより高感度な検出法の応用が必要である。最近になって、mRNA発現レベルを高感度・定量的に検出可能なTaqman-RT-PCR法が開発された。我々も、口腔癌頸部リンパ節微小転移の遺伝子診断にこの方法を応用し、従来のH-E染色による検索を上回る転移検出を可能にした。これらの結果から、hTERT-mRNAのTaqman-RT-PCR法による解析は病変の悪性度をより高感度にあらわすと考えられるので、今後もこの課題は継続して検索を進めていく予定である。
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