研究課題/領域番号 |
11877359
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
雫石 聰 大阪大学, 歯学部, 教授 (00028789)
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研究分担者 |
高谷 桂子 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
田中 宗雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (90263300)
埴岡 隆 大阪大学, 歯学部, 助教授 (00144501)
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キーワード | 健康診断 / 歯周病 / 歯肉溝滲出液 / 職域 / 生化学分析 / 産業歯科 / 検査センター / 神経性炎症 |
研究概要 |
本研究では,集団から採取された多数の歯肉溝滲出液試料を用い、多数の生化学項目について一括して分析することが可能かどうか、得られた種々の生化学情報がこれまでの歯科検診スタイルで採取された歯周病情報とどのように異なるかを検討した。 まず、文献考察を行い、歯肉溝滲出液生化学分析項目として、血球タンパク、血漿タンパク、白血球関連物質、免疫抗体、歯周破壊指標、神経性炎症物質を考案した。 次に、少人数を対象に模擬健診を行い、そのプロセスを評価し、歯肉溝滲出液の採取方法、生化学情報の損失の少ない試料の運搬方法およびその保管方法、一括して行える生化学分析方法を確立した。 そして、実際に行われている職域歯科検診の場で試料の採取を行うとともに、従来からの検診スタイルで採取できるCPITNなどの既存の歯周病情報を収集した。生化学分析は大量の生化学分析が可能なようにマイクロタイターを用いたELISA法により行った。 歯周情報および生化学分析結果をコンピュータに入力、記憶装置にデータを蓄積した。統計解析は多変量解析法を用いて、生化学データと既存の歯周病情報との情報の性質の比較を行った。情報の性質の比較には各主成分への因子負荷量を用いて検討した。 以上の結果、歯肉溝滲出液を職域健康診断時に採取し、検査センターで一括して分析処理することが可能であり、生化学分析情報は、従来からの歯周組織を診査して得られた情報とは異なり、今後、歯肉溝生化学検査を職域健康診断時行うことの価値があることが示唆された。
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