研究課題/領域番号 |
11877364
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
溝口 到 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20200032)
|
研究分担者 |
飯島 雅弘 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (20305915)
笹野 泰之 東北大学, 歯学部, 助手 (30196191)
武内 真利 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00143595)
星 幸博 株式会社サイエンス・タナカ, 代表研究者
林 一夫 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (20316269)
|
キーワード | 顎関節円板 / 細胞外マトリックス / プロテオグリカン / in situ hybridization / mRNA |
研究概要 |
咀嚼機能が顎関節組織の細胞外マトリックスの組成あるいは組織の強度にどのような影響を及ぼすのかについてを本研究では、物性の異なる飼料でラットを飼育することによる咀嚼機能の変化が、(1)顎関節の細胞外基質(コラーゲン、プロテオグリカン)の組成にどのような影響を及ぼしているのか、また、(2)マトリックス形成に関連するマトリックス分子や成長因子がどのような作用機序でそれに関わっているのかについて、分子生物学的手法を用いて解明することを目的としている。 1.実験動物および実験方法 実験動物として生後2週齢の雄性ウィスター系ラットを用いる。実験動物は、固型飼料群と液状飼料群とに分け、後者には、固型飼料を粉砕し4倍量の水を加えて液状にしたものを用いる。実験期間は、それぞれ2、4、812、20週とする。 2.抗体の作製、抗体の特異性の証明 市販されていないラット・バイグリカンに対する抗体の作製を合成ペプチドで行う。 3.ウエスタンブロッティングによる各種分子の定量 実験期間の終了した動物の関節組織(下顎頭と関節円板)を摘出し、液体窒素で凍結保存する。試料が揃ったところで各群の円板をグアニジンによりコラーゲンとプロテオグリカンに分離/抽出し、透析後、凍結乾燥下で保存する。下記の分子の定量化はそれぞれの抗体を用いてウエスタンブロッティングを施し、円板の各分子の発現を観察する。 aコラーゲン;I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン-成長が進むにつれ増加傾向を示した。 bプロテオグリカン;デコリン、バイグリカン、アグリカン、バーシカン-成長が進むにつれ減少または変化が認められなかった。しかし、デコリンにおいては成長により増加傾向が認められた。 c成長因子;Transforming growth factor(TGF-β),insulin growth factor(IGF)-成長が進むにつれ減少傾向を示した。 4.免疫組織化学的検索 固定終了後、試料を摘出し、パラフィン包埋により連続切片を作製する。切片について各種分子に対する抗体を用いて免疫組織化学染色を施し、円板組織内の分子の発現を詳細に観察する。-いずれも4週までは、局在性は認められなかったが8週齢以降、顎関節円板においてデコリンにおいては中央狭窄部と後方肥厚部中央部で減少していた。その他については反応性の減少が認められた。
|