研究概要 |
目的:1.メルケル細胞の局在:歯肉を頬側と舌側に分け、年齢層・性別・歯周病の進行度別にメルケル細胞数、多形性(多形性は機能の異なるサブタイプを反映する可能性が高い)および部位(歯肉上皮基底層にあることは判明しているが、3次元的な位置を知る)を調査する。2.メルケル細胞の機能;神経成長因子によって誘導する機能を発現しているのかどうか、メルケル細胞-神経細胞複合体を形成して感覚受容器として機能しているのか、免疫反応に関与しているかを検討する.メルケル細胞と末梢神経の結合に関しては、(1)複合体を形成する割合(2)複合体の部位的な頻度の差異についても検討する。 材料と方法:松本歯科大学病院歯周病科外来患者のうち臨床的健康歯周組織を持つメインテナンス患者の中で試料採取に同意した者から歯肉を採取した。また、炎症歯肉は当科外来患者の中で歯周炎と診断され試料採取に同意した者の歯肉を採取した。さらに、本研究遂行の一環として、CPITNによる歯周疾患実態調査を行ない、検診の結果歯周治療が必要と判断された受診者の中から当科に来院可能な患者の歯肉も同様に採取した.採取部位は頬側および舌側歯肉の歯肉辺縁からとした。採取した試料は歯肉頂縁から外縁上皮と内縁上皮に分け、固定、凍結ののち-80℃にて保存した。 結果:CPITNを導入した歯科検珍を行なうことにより木曽地区における歯周治療の必要性が把握でき,受診勧告等により研究試料確保にも繁がった。 研究発表:第42回秋季日本歯周病学会学術大会 平成11年10月CPITNによる木曽地区の歯周疾患調査.日歯周誌,41。(秋季特別号):166,1999.
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