補完・代替医療は現代西洋医学のいろいろな問題点から、あるいは医療費高騰の理由から多くの関心を集めるようになってきている。代替療法にはさまざまな種類があり、それぞれの使用頻度や効果への信頼度異なると考えられる。 そこで今回、個々の代替医療についての効果に対する信頼度および情報源などについて診療所の患者を対象に調査した。 調査方法は、京阪地区の診療所患者609名に対して自己記入式質問方法で行われた。 その結果、65%の患者が何らかの代替療法を使用していることがわかった。ある一つの補完代替療法を使用している患者は、他の代替療法についても使用しやすい傾向にあった。たとえば「鍼」を使用している患者は「灸」も使用しやすい、という傾向が得られた。しかし漢方および健康食品においてはこれらの傾向が見られなかった。そこで、我々はそれぞれの個々の療法について使用に関する近接値を計算してみた。 その結果、漢方と健康食品を除いた他の全ての療法は使用において近接性が強かった。しかしながら、漢方と健康食品には近接性はなかった。また信頼度については漢方は患者から非常に高く評価されていたが、健康食品は最も低かった。これらのことから患者はそれぞれの代替療法は不均一であり、特に漢方と健康食品はまったく異なるカテゴリーに属しているとみなしていることがわかった。
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