代替医療は、特に海外で近年注目されてきている。しかしながら、国内での医療従事者や一般市民の代替医療の取り組み状況についてはよくわかっていない。そこで、平成13年度は一般市民の代替医療の取り組み状況について調査した。 対象は京都市内在住の一般市民472名で、自己記入式アンケート(留置法)で行った。回答率は100%であった。472名中290人(61%)が代替医療の実施をしていることが明らかになった。実施している代替医療の種類については、最も多いのがマッサージ、次いで漢方、鍼、健康食品、灸、カイロプラクティックなどであった。代替療法を実施している目的は、漢方、鐵、灸、マッサージ、カイロプラクティックでは治療が主であり、健康食品については健康増進や美容に主眼がおかれていた。また、学歴、年収、年齢などの間で代替療法の実施率に差があるかどうか見たところ、全く差は見られなかった。 欧米諸国では、一般に、高学歴、高所得者層で代替医療の実施率が高いとされている。これに反し、わが国における代替療法の実施状況は、学歴や年収、年齢分布において差がみられないことは著しい特徴であることが確認できた。 また、代替療法全般、漢方、鍼、灸、マッサージ、カイロプラクティック、温泉療法、健康食品、いずれを取っても女性の方が男性より多く実施しているという結果が得られた。一般に欧米諸国でも、女性の方が代替療法を多く実施しているとの結果が得られている。しかしながら、この理由についてはよく分からない。
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