研究課題/領域番号 |
11877420
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
高橋 伯夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (80094431)
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研究分担者 |
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264)
小坂 知也 関西医科大学, 医学部, 助手 (10298862)
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キーワード | クラミジアニューモニエ / 動脈硬化症 / 虚血性心疾患 / 一酸化窒素(NO) / 凝固・分子マーカー / 高感度CRP / 炎症 |
研究概要 |
冠動脈疾患(心筋梗塞傷、狭心症)で入院時に採血し、抗Chlamydia.pneumoniae 特異的IgA,IgG抗体価を市販検出キットを用いて測定した。また健常対照として検診受診者、病的対照群として有意狭窄を認めない異型狭心症症例を用いた。高抗体価を認めた症例については1・3カ月毎に採血し、経過中の変動を調査した。また、抗体価とともに高感度C-反応性蛋白などの炎症マーカーをラテックス凝集法により測定した。その結果、全体として解析するとIgG抗体価は加齢とともに有意に上昇し、IgA抗体価は逆に加齢に伴って低下した。これを病態別に分類して解析すると、健常対象、異型狭心症、労作性狭心症、陳旧性心筋梗塞などの群ではいずれも全体での解析結果とほぼ同様であったが、急性心筋梗塞症患者群ではIgA抗体価が加齢とともに上昇した。病態を判別するためにカットオフ値を設定して陽性率を検討すると、IgG抗体価については各群間で有意差はなかったがIgA抗体価は急性心筋梗塞群で他の群に比較して明らかに高く、約50%にも達した。抗体価の絶対値を比較すると、IgG抗体価では陳旧性心筋梗塞群で高値傾向を示した。IgA抗体価では明らかに急性心筋梗塞群で高値であった。クラミジアの慢性感染の指標と考えられるIgGおよびIgA抗体価がいずれも陽性になる率を比較したところ急性心筋梗塞群で他群と比較して有意に高値を示した。以上のように、冠動脈疾患が感染症によりもたらされることが示唆されたため、高感度CRP測定を行った。その結果、健常者では400ng/mlであったが、急性心筋梗塞群ではバラツキがあるが著明に高値を示し、他の冠動脈疾患群でも800〜12000ng/mlに分布し、健常者と比較して有意の高値を呈した。しかし、血中硝酸イオン濃度については変動が大きく有意差は得られなかった。
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