研究課題/領域番号 |
11877433
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉下 知子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60010063)
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研究分担者 |
法橋 尚宏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60251229)
山本 則子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90280924)
林 邦彦 群馬大学, 医学部, 助教授 (80282408)
三橋 邦江 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00302662)
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キーワード | 家族 / 尺度 / 育児 |
研究概要 |
本研究は、家族システムとケア行動を二次元スケール上にケア行動項目毎に表示するツールの開発を目的としている。現在2ヵ年の計画の1年目が終了するところである。1年目は出産後の家族を対象に、(1)家族システムおよびケア行動の測定項目を単次元スケールで測定し、(2)試作二次元スケールによる家族機能アセスメントの妥当性を検討した。T大学病院および都立O病院で産後1ヶ月健診または乳房外来を受診した褥婦を対象に、育児・家事の主観的負担感(大変さ)を測定する「大変さスケール」と、それに対する家族支援の程度を測定する「家族支援スケール」を含む質問紙調査を実施した。またT大学病院での対象者には、受診時の育児相談場面の参加観察を行った。分析対象者34名の平均年齢は31(±4.8)歳であり、家族形態は核家族79.4%、拡大家族20.6%であった。(1)「大変さスケール」と「家族支援スケール」のデータを因子分析した結果、「育児・家事の家族支援」と「育児・家事の主観的負担感」の2因子に分けられた。また「大変さスケール」と「家族支援スケール」のCronbach'sαは、それぞれ0.83、0.85であった。「大変さスケール」得点、「家族支援スケール」得点は、共に正規分布をとり、これら2つの間に相関は認められなかった。以上より、「大変さスケール」と「家族支援スケール」の二次元スケールの各軸としての使用可能性が示された。(2)試作二次元スケールは、育児や家事に関する行動の各11項目毎に「家族支援」得点(x)と「大変さ」得点(y)を(x,y)座標上にとり、家族機能をアセスメントするツールである。対象34ケースについて、試作二次元スケールによるアセスメントを行い、質問紙および参加観察により得られたデータをもとにアセスメント内容を検討した結果、このツールの有用性が示唆された。今後、このアセスメントツールの妥当性と信頼性の検討を行う。
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